デジタルコンテンツカタログ 2023

ウチダ デジタルコンテンツカタログ Vol.133


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「なぜ間違えたのか」子どものつまずきの原因を明らかにする「たつじんテスト」とは認知科学の専門家である今井教授が開発した「たつじんテスト」は、「子どもたちの思考を可視化」して、「なぜ間違えたのか」を明らかにする。慶應義塾大学環境情報学部教授今井むつみ経歴紹介認知科学、特に認知心理学、発達心理学、言語心理学が専門分野。近著に、『算数文章題が解けない子どもたち:ことば・思考の力と学力不振』(岩波書店)がある。学力テストでは「なぜできないか」が、わからない「学力テストでは、『できない』問題はわかりますが、『なぜできないか』はわかりません。そこで一人ひとりの『つまずきの原因』を明らかにするために、広島県教育委員会と協力して開発したのが、『たつじんテスト』です」と、認知科学の専門家である今井むつみ教授は言う。この「たつじんテスト」をいち早く使い始めた広島県では、子どもたちの驚くべき現実が、次々と明らかになっている。「たとえば、『2分の1と3分の1、どちらが大きい?』と小学5年生に回答させたところ、約半数が『3分の1の方が大きい』と答えました」なぜこのような間違いを犯してしまうのか。「たつじんテスト」なら、それがわかる。「分母の数が大きい方が、大きい」と考えているのだ。他にも、「0.7と2分の1、どちらが大きい」という問いに、小学5年生の4割近くが「2分の1」と答えた。「小数よりも分数の方が無条件で大きい」と思い込んでいるのが、間違いの原因だと判明した。「数の概念がわかっていない。簡単な計算はできても、分数や小数の意味が理解できていない。これらが『できない』原因でした」ほかにも、図1※のような視点を変える問題が苦手な子どもが多いこともわかった。4年生でも、実に約半分しか正解しなかったのだ。「お箸を持つ手が右と知ってはいるけれども、第三者の視点になるとわからなくなる。右左という概念を、うまく活用できていなかったのです」「ことばのたつじん」と「かず・かたち・かんがえるたつじん」の2種類このような問題を収録している「たつじんテスト」は、「ことばのたつじん」かず・かたち・かんがえるたつじん」の2種類から構成される。たとえば「ことばのたつじん」には、「りんさんの誕生日は3月14日です。誕生日のちょうど1週間後がお別れ会です。図のカレンダーを見て、お別れ会の日に丸をつけましょう」といった問題があるが、2年生の約半分が間違えた。「1週間が何日か、わかっていない。わかっていても、うまく活用できていない」と、38WEBからもカタログをご覧いただけます。www.uchida.co.jp/education/catalog


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