デジタルコンテンツカタログ 2023

ウチダ デジタルコンテンツカタログ Vol.133


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「学力テストと知能テストの、ちょうど中間のイメージです。こうしたテストは今までありませんでした」知能テストほど所要時間がかからず、一部を取り出してレディネステストとしても使える。算数で時間を取り扱う単元の前に、「たつじんテスト」の時間に関係する問題に取り組み、子どもの理解度を測った上で授業に入る学校もあるそうだ。つまずきの原因がわかれば指導のアイデアがわいてくる⇒手立てが見えてくる「たつじんテスト」でつまずきの原因がわかったら、子ども一人ひとりに合わせて指導方法を考えてほしいと、今井教授は呼びかける。共同開発した広島県では、つまずきを解消するための新たな指導方法を先生方が次々と編み出し、効果を上げ始めているという。たとえば、「1時間が60分」という時間の概念をつかめていない子のために、「ブロックじゃんけん」を考案。10分・20分・30分・60分の4種類のブロックをじゃんけんで取り合い、最後に自分図1※今井教授は指摘する。「認知科学では、知識をたくさん覚えてさえいればよいのではなく、その知識を状況に応じて正しく、適切に活用できるかどうかを重視します。『ことばのたつじん』では、『知識を覚えているか』だけでなく、問題に合わせて知識を活用できるか、『生きた知識』になっているかを測ります」「かず・かたち・かんがえるたつじん」では、先にも挙げた「2分の1と3分の1、どっちが大きい?」問題や、0と100だけが書かれた数直線を与え、「定規を使わずに、18だと思う箇所に印をつけなさい」といった問題が収録されている。「こっそり定規を使って、『18ミリのところが18だ』と回答した子もいました。元の数直線の長さを、考慮せずにです。こうしたつまずきの原因の一つが、間違ったスキーマ、つまり自己流の誤った考え方を持ってしまっていることです」「小数より分数の方が無条件で大きい」「文章題に出てくる数字は、全部使って立式しなければならない」なども、その一例。どんな勘違いが原因でつまずいているのかを、このテストは明らかにしてくれる。「つまずきの原因は一人ひとり違います。文章題ができない子どもの原因も、使われている言葉の意味がわからない場合もあれば、間違ったスキーマが原因のこともあります。そこで認知科学を用いて、『子ども目線』で問題を開発し、一人ひとりがどのように考えてこの回答に至ったのかが、わかるように工夫しました」使ってみた先生方は、「子どもたちの頭の中が、透けて見えてきた」と、喜んでいるそうだ。の持ちブロックを合計して、「獲得時間」を競うのだ。「つまずきを解消するために、先生方は学級や学年を越えて話し合い、指導のアイデアを次々と生み出しています。『原因さえわかれば、指導方法はいくらでも思いつく!』と、校内が活気づいているようです」この「たつじんテスト」を、EduMallで販売。全国の自治体・学校へ提供する事となった。「使ってみたら、ぜひ指導事例を教えてください。事例が集まればより指導しやすくなり、多くの子どものつまずきを解消しやすくなります。子どものために、先生方の知見を結集してほしいと思います」「算数文章題が解けない子どもたち」掲載許可ⓒ2022MutsumiImaiv1.0.1教育デジタルコンテンツカタログ202339


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